「最近、Googleで検索すると一番上にAIの答えが出てくる。みんなそれを読んで終わりなら、ホームページを作っても見られないのでは?」
検索の画面が変わってきたことに気づいて、こう感じている方は多いと思います。実際、検索結果の最上部にAIがまとめた回答(AIによる概要/AI Overview)が表示される場面は増えていますし、ChatGPTに直接お店を聞く人も現れ始めました。ただ、先に結論をお伝えすると、影響の大きさは「検索の種類」によってまったく違います。そして各種の調査データを見る限り、山形の店舗や会社が対象とする「地元のお店・会社探し」は、AI要約の影響がもっとも小さい領域です。むしろAIが普及するほど、正しい情報が載った公式ホームページの重要性は増していきます。
この記事では、山形でホームページ制作を行う株式会社山のむこうが、公開されている最新の調査データと、当社が実際に運営しているカフェのアクセス実測データをもとに、AI検索時代に地元ビジネスのホームページで何が起きるのか、そして今日からできる対応を解説します。
要点の先出し
- AI要約が出るのは主に調べもの系の検索。お店探し・地域の検索・店名での検索には出にくいことが調査で示されている
- 当社運営カフェの実測でも、AI経由の訪問はすでに発生しているが月9人(約1%)。地元のお店探しの主役は今も検索とマップ
- ChatGPTなどのAIは回答の情報源として公式サイトを高い割合で引用する。情報が載っていないお店はAIの回答に登場できない
- 対策の中身は「正確な基本情報・よくある質問・自分の店にしかない一次情報」——実は真っ当なホームページ運用そのもので、高額な特別対策は不要
いま検索で何が起きているのか
まず現状を整理します。変化は大きく2つです。
1つ目は、Google検索の画面の変化。質問系の検索をすると、検索結果の一番上にAIがWeb上の情報をまとめた「AIによる概要」が表示されるようになりました。参照元へのリンクは付いていますが、要約を読んで満足すればサイトはクリックされません。
2つ目は、検索そのものを使わない人の出現。ChatGPTなどのAIに「〇〇市でおすすめのカフェは?」と直接聞くスタイルです。この場合、AIがWeb上の情報を読んで回答を作り、参照したページへのリンクを添えます。
どちらにも共通するのは、AIは自分で情報を生み出しているのではなく、Web上にある情報——その中心は各店舗・各社の公式ホームページ——を読んで答えているという点です。ここがこの記事全体の前提になります。
データで見る:AI要約は「どんな検索」に出るのか
「AI要約が出たらクリックされない」は事実の一面ですが、そもそもAI要約はすべての検索に出るわけではありません。海外SEOツール大手Ahrefsのデータや国内の解説記事によると、表示のされ方には明確な偏りがあります。
検索の種類 | 例 | AI要約の出やすさ |
|---|---|---|
調べもの系(情報収集型) | 「ホームページ 費用 相場」「縮毛矯正とは」 | 出やすい |
地域のお店・会社探し(ローカル検索) | 「南陽市 カフェ」「山形市 美容室」 | 出にくい |
店名・会社名での検索(指名検索) | 「〇〇カフェ 営業時間」 | 出にくい |
予約・購入など行動直前の検索 | 「〇〇 予約」 | 出にくい |
具体的な数字も出ています。AI要約が表示された検索のうち、地域性のあるローカル検索は7%弱にとどまり、9割以上は地域性のない調べもの系だったという集計があります。また、AI要約の表示率自体も検索全体の2割前後で推移しているとされます。つまり、「地域名+業種」で探されて選ばれる地元のビジネスにとって、集客の入り口となる検索は、AI要約の影響がもっとも及びにくい領域なのです。
一方で正直にお伝えすると、調べもの系の検索では影響が実際に出ています。Ahrefsが2026年に公表した大規模調査では、AI要約が表示される検索において検索1位のページのクリック率が大きく下がったと報告されています。情報記事で集客しているメディアには逆風ですが、これは「お店の公式サイトが見られなくなる」という話とは別物です。
実測データ:当社運営カフェの場合
実際のところ、AIから地元のお店にはどれくらい人が来ているのか。当社が制作・運営している山形県南陽市のカフェ「icho cafe」のアクセス解析(GA4)を見てみます。詳しいデータは事例記事で公開していますが、直近の内訳はこうでした。
- 新規ユーザーの約56%はGoogle検索経由(月375人)
- AI経由(ChatGPTなど)の訪問は月9人・約1%
注目していただきたいのは2点です。まず、AIからお店のホームページへの導線は、山形の小さなカフェでもすでに実際に動き始めていること。AIの回答にサイトが引用され、クリックされているからこの数字が出ます。もう1つは、それでも現時点の主役は圧倒的に検索とマップだということ。割合だけ見れば56%対1%です。
ただし1点補足すると、Google検索のAI要約を「見ただけで来店した」人はアクセス解析のどこにも表れません。この1%は「AI経由と確実に分かる数字の下限」であり、実際のAIとの接点はもう少し広い可能性があります。だからこそ次の話——AIに読まれたとき、正しい情報が載っているか——が重要になります。
AI時代に公式ホームページの役割がむしろ増す理由
意外に思われるかもしれませんが、AIの普及はホームページ不要論ではなく、その逆に働きます。理由は2つです。
理由1|AIは公式サイトを情報源として引用する。国内の調査では、AIの回答に含まれるリンクのうち公式サイトの割合はGeminiで9割超、ChatGPTでも8割超と報告されています。AIは「そのお店のことは、そのお店の公式情報で答える」のが基本動作です。裏を返せば、公式ホームページがない・情報が古いお店は、AIが正確に紹介しようがなく、回答に登場する機会そのものを失います。SNSだけの発信では、営業時間や料金といった「AIが答えたい情報」が日々の投稿に埋もれてしまい、拾われにくいのも弱点です(この構造はSNSとホームページの使い分けで解説した内容と同じです)。
理由2|最後の確認は結局「店名検索」に来る。AI要約で気になるお店を知った人も、行く前には店名で検索して公式情報を確かめます。先ほどの表のとおり指名検索にはAI要約が出にくいため、この受け皿としての公式サイトの役割は変わりません。むしろAIという新しい「紹介経路」が増えた分、受け皿の重要性は上がっています(受け皿の考え方は美容室にホームページは必要?でも詳しく書いています)。
AIに引用されるサイトの共通点=今日からできる対応チェックリスト
では何をすればいいのか。国内で公開されている複数の大規模調査(数万〜十数万キーワード規模でAIの引用元を分析したもの)では、引用されやすいページの共通点がかなりはっきり示されています。それをチェックリストにしたのが以下です。
- ① 基本情報が正確で、表記が揃っている。店名・住所・電話番号・営業時間が、ホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNSで食い違っていないこと。AIは複数の情報源を突き合わせるため、表記ゆれは信頼度を下げます
- ② 結論を先に書き、よくある質問を載せている。質問に端的に答えている部分は、AIがそのまま回答に使いやすい形です。「駐車場はありますか?」「子連れでも大丈夫?」など、実際によく聞かれる質問と答えを載せましょう
- ③ 自分の店にしかない一次情報がある。料金、メニュー、実績、こだわり、実際の数字。どこにでもある一般論は引用価値が低く、そのお店でしか得られない情報ほど引用されやすい——これは複数の調査で一致した結論です
- ④ 誰が運営しているかが明記されている。会社概要・店舗情報・代表者の紹介。AIは「誰の情報か」を信頼性の判断に使う傾向があります
- ⑤ 情報が載っている場所を増やしている。Googleビジネスプロフィール、地域メディア、SNS。同じ正しい情報が複数の場所にあるほど、AIに見つけられ引用される確率が上がります
お気づきでしょうか。これらは「AI向けの特別な対策」ではなく、お客様に親切なホームページの条件そのものです。検索エンジン対策(SEO)とAI対策は矛盾せず、ほぼ同じ施策で両立します。奇をてらう必要はありません。
やらなくていいこと・注意したいこと
変化期には不安につけこむ営業も増えます。次の点は冷静に見てください。
「AIに必ず載せます」という保証はできない。調査では、検索1位のページですら半分近くはAI要約に引用されていないことが示されています。引用されるかどうかを完全にコントロールする方法は存在しないため、「確実に載せる」と保証する高額なサービスには注意が必要です。
高額な「AI対策パッケージ」より、まず土台。前章のチェックリストの大半は、きちんと作られたホームページなら最初から満たせる内容です。数十万円の追加対策を検討する前に、今のサイトの基本情報が正しいか・よくある質問があるか・運営者情報があるかを確認する方が先です。
よくある質問
Q. AI対応も含めてホームページを作ると、費用は高くなりますか?
A. 前述のとおり、AIに引用されやすい条件は「正確な情報・FAQ・一次情報・運営者明記」といった真っ当な作りのことなので、特別な追加費用は本来かかりません。制作費用の一般的な相場は山形県のホームページ制作費用相場をご覧ください。当社は初期費用12万円・月額5,000円(税別)で、こうした構成を標準で組み込んでいます。
Q. 自分のお店がAIにどう紹介されているか、確認できますか?
A. できます。ChatGPTやGeminiに「〇〇市の△△(業種)でおすすめは?」「(店名)の営業時間は?」と実際に聞いてみてください。間違った情報で答えられた場合は、ホームページやGoogleビジネスプロフィールの該当情報が古い・不足しているサインです。
Q. AI要約に自社の情報が間違って載っています。訂正できますか?
A. AIに直接訂正を依頼する仕組みは基本的にありませんが、AIが読んでいる元の情報——公式ホームページとGoogleビジネスプロフィール——を正しく更新することが実質的な訂正手段になります。情報源が直れば、AIの回答も時間とともに追従していきます。
Q. これからはSEO(検索対策)よりAI対策を優先すべきですか?
A. 二者択一ではありません。調査では、AIの引用元の6割は検索20位以内のページという結果が出ており、検索で評価されるサイトはAIにも引用されやすい関係にあります。地元ビジネスの場合は「地域名+業種」の検索とGoogleマップの整備が引き続き土台で、それがそのままAI対応にもなります。
まとめ|AIが普及するほど「正しい情報の置き場所」が効く
最後に、要点をもう一度。
- AI要約が出るのは主に調べもの系の検索で、地元のお店・会社探しや店名検索は影響がもっとも小さい領域
- 当社運営カフェの実測では、AI経由の訪問はすでに発生(月9人・約1%)。AIという新しい紹介経路が増えつつあるが、主役は今も検索とマップ
- AIは公式サイトを情報源にする。正確な基本情報・FAQ・一次情報・運営者明記という「親切なホームページの条件」が、そのままAI対応になる
- 「AIに必ず載せる」保証はできない。高額な特別対策より、土台の整備が先
山のむこうでは、初期費用12万円・月額5,000円(税別)で、ここで挙げたチェックリストを満たす構成——正確な基本情報、よくある質問、お店ごとの一次情報、運営者情報——を標準としてホームページを制作しています。ご契約前にプロトタイプ(仮デザイン)を無料でご確認いただけます。「今のサイトがAI時代に対応できているか見てほしい」というご相談だけでも歓迎です。