こんにちは、ESTEMの渡辺です。
今日はエッジAIについてお話していきたいと思います。
「エッジAI」 とは、これまでクラウド上で実行されることが大半であったAIの処理をエッジで実行することを意味しています。エッジ(edge)とはスマートフォンや、コンピューターが内蔵された自動車などの利用者の近くにある機器を指し、クラウドのように規模の大きな設備を離れた場所に用意することとは反対の考え方です。
これまでのAIはクラウドAIが広く利用され、一般的でした。クラウドAIの普及が急激に拡大する一方で、、運用コストや処理容量、セキュリティなどの問題から、エッジ(端末側)で単独処理できる「エッジAI」の可能性に期待が高まっています。
エッジAIはリアルタイム性(素早く判断できること)が要求されることに関して重要となります。多くの場合、エッジにおける計算環境は一般的なコンピューターに比べると動作が遅く、AIを動作させるには不十分であるという結果が出ています。たくさんのデータから学習させ、その学習結果であるモデルの構築や構築したモデルを用いて実際にものごとを認識させる際には複雑な計算を実行する必要があるため、このような計算にはインターネット経由で大規模な計算環境を利用することができるクラウドがよく用いられます。
※クラウドとは、ユーザーがソフトウェアなどを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する考え方のこと。
※図1を参照
図1:中心がクラウド、周囲がエッジ
クラウドAIと比較をして考えてみましょう。例えば、今技術の進歩が著しい自動運転について。自動車の危険回避にAIを適用し、目の前に現れた人や物体を認識し、急ブレーキをかけるようなシーン(図2)を考えます。クラウド上でAIによる画像認識を実行していた場合、車で取得された走行中の画像はインターネット経由でクラウドに送信され、クラウドで認識された結果の受信を待って、車を制御することになります。つまり、インターネットを介すため、その分のタイムラグ(数百ミリ~数秒程度)が発生します。
図2:自動運転による危険検知
一方で、エッジ(車に搭載されたコンピューター)で処理した場合、インターネットを経由する必要がないため、AIの認識結果の受信を待つ必要がありません。つまり、インターネットを経由しないため、レイテンシがなく、短時間で画像認識、制御を実行することができます。
デバイス側(図3)でこのようなAIの処理を実行することにより、従来の方法では実現が難しかったリアルタイムなデータ処理や制御を実装することが可能となっています。
図3:デバイス上での危険検知
エッジAIの実用化は着々と進んでいる。実際に今年の2月15日からNTTデータはエッジ領域でのIoT・AI活用インテグレーションサービスの提供を開始し、主にせ造行、通信業、エネルギー産業などの企業を対象として、高度な機械監視・設備保人業務を実現しています。また、他の業界でも注目されています。
医療ケアにおいて、エッジコンピューティングとエッジAI は、ネットワークの接続性を改善し、リモート監視アプリケーションを促進する用意ができている段階にあります。
ウェアラブル・デバイス(ウォッチやバンド)は、クラウド上で共有する前にデータをデバイス上で処理しながら、装着している人の健康状態を監視します。例えば、持続グルコース監視システムでは、問題が発生する前にアラートを受信できるようにして、装着者がリアルタイムでグルコースのレベルを監視することができます。
将来的に、エッジでの処理はロボット手術の開発にとって重要となるでしょう。命を取り扱う医療業界において正確かつレイテンシのない制御ができるとさらに医療が進歩すると考えられますし、ロボットドクターを用いる以上、そのような制御を要求されるようになります。クラウドではなくエッジでAI を展開することは、生死にかかわるというのを頭に入れておかなければなりませんね。
エッジ AI は、予測メンテナンスの段階において導入することもできます。ある製造ラインにおいて、エラーが発生しやすい時期を予測するためにAIを使用しながら、重要なシステムの監視にセンサーを使用することができるということです。これが実現できたら、高効率で安定した製造ができ、予定外のダウンタイムが発生が抑えられます。
エッジAIが実用化可能レベルになってきてあらゆる方面のプロジェクトが増えつつあります。ただ、ここで気を付けなければいけないことは、可能なことが増えるほど“耐環境性”が一番の問題点になってきます。その名の通り、環境に耐えることです。
エッジAIやIoTデバイスは基本的に屋内や外部からの介入がない所だけで動作するものではありません。例えば、車やバス、電車などの移動デバイス、工場での利用、飲食店…etc、エッジデバイスにとって極めて厳しい耐環境性を求められることもあります。机上ではプログラムはしっかりと動作するが、あらゆる現場で安定的な動作はできるのか。
屋外環境だった場合、一番の問題は水と温度だと考えられます。防水ケースに実装することが必須となります、そうするとCPUなどからの放熱の問題が発生します。車載(電車やバスなども含めて)などの場合では、振動対策が重要になります。ドローンに搭載したいと考えると、水、温度、振動、粉塵などあらゆる“試練”が待ち受けていますね。実現すれば、今、Amazonでも実用化が進んでいるドローンでの配送サービス、ドローン自体の性能が向上し、さらにドローンが一般的になるのではと思います。
ケースに実装することはほぼほぼ大前提です。この部分においては、どんなケーシングをすれば良いのか、温度対策、振動対策、機構設計など、AIやIoTとは直接関係の無い熟練職人の知識や経験が必要になります。最終目標が人のように判断・人手を減らすAI、IoTであるのに、熟練職人の技を要求するというのもどこか矛盾を感じてしまいますが。
上記を踏まえて考えると、AI、IoTの加速は職人技と合体した時に、さらなる、真のイノベーションを起こすのではないでしょうか。
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