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ESTEMからのお知らせ

テストの平均点の落とし穴

スタッフの中山です。

沖縄はいよいよ梅雨のシーズンに入ったそうです。
米沢も時間の問題ですね…(汗)
今年もじめじめとした熱さを乗り越えていきましょう!

本日はテストの平均点と偏差値についてお話したいと思います。

 

平均点だけが見られがちな学校のテスト

学校で勉強をする上で、定着度を測るテストは大切なものだと思います。

テストをすれば必ず伴うものが得点です。
先生の「テストを返すぞー」という声をきっかけに教室には緊張感や、不安、あるいはワクワクする気持ちなどが漂います。
私は義務教育を数年前に終えた身なので、ホームルームでテストを受け取る姿を想像すると懐かしくなります。
ちなみに私は中学までの成績は良かった方なので、毎回テストの返却は楽しみな派でした。

先生がクラス全員分のテスト用紙を配り終えてすることといえば、クラスの平均点を発表することだと思います。
例えば、数学のテストの平均点が70点のとき、自分は85点を取ったとしましょう。

平均点より得点ができてつい嬉しくなってしまいませんか?
私も”偏差”という言葉を知るまでは単純に平均点より上だということを喜んでいました。

しかし”偏差”を知ってからというもの、学校における平均点に対する絶対の意識は大きすぎると思ったのです。

 

偏差とは何か

“偏差”とは何でしょうか?
訓読みをすると、”偏(かたよ)り”と”差(さ)”と読みます。

偏差とは、ある数字が平均点からどれだけ離れているかを表します。

先ほどの例をあげると、平均点が70点の数学のテストで85点を取ったA君の”偏差”は15点となります。
一方55点を取ったB君の場合は偏差は同様に15点となります。

さて、ここで問題です。
A君とB君、学力が優秀なのはどちらだといえるでしょうか?

 

 

・・・

 

正解はA君!…とは言い切れないのです
これから紹介をする標準偏差から見れば、A君とB君の間に学力の差はなく同じものとも考えることができるのです。

 

標準偏差とは何か?

標準偏差とは、どれだけ平均点から数が散らばっているかの程度を表します。

 

ちなみに標準偏差は簡単な計算式で求めることができます。
調べてみてください。

 

バス停で例にしましょう。
AとBのバス停があります。
AとB、どちらのバス停も平均で2分の遅刻が予想されます。
バスは道路状況に左右されますからこれは仕方のないことです。

さらにバス停について情報が加わります。
Aのバス停は時間変動の”標準偏差”が2分で、
Bのバス停は時間変動の”標準偏差”が7分です。

みなさんはどちらのバス停に乗りたいですか?

標準偏差を知っている方であれば絶対にAのバス停を選ぶと思います。

標準偏差とは、どれだけ平均点から数が散らばっているかの程度を表すと話しました。

つまりこの場合は、
Aのバス停は平均の2分遅刻を基準としてプラスマイナス2分の時間変動が起こります。
一方、Bのバス停は平均の2分遅刻を基準としてプラスマイナス7分の時間変動が起こります。

これを踏まえて考えれば、Bのバス停は最悪9分の遅れが考えられますので不便で仕方がありません。

AとBで大違いですが、平均としてはどちらも遅刻2分となるのです。

これを最初のテストの話に置き換えると、平均点の落とし穴が見えてきます。
平均や偏差などを取り扱う統計学という学問から言えば、標準偏差の大きいテストとはそれだけ分散する可能性があるテスト。
すなわち運によるところの大きいテストと言い換えることができるのです。

なので、今回が平均点よりも15点大きい85点を取ったからいって、55点の生徒と比べて勝ち誇ってはいけません。
次もまたB君にテストの点数で勝つ可能性はそれほど高くないからです。
統計的に見れば、85点も55点も能力的には同等といえるかもしれないからです。

 

統計でいう優秀とは何なのか

正規分布という言葉をご存知ですか?
正規分布とは下の画像のような、中心を山に端に行くにしたがって平らになっていくグラフのことです。


世の中は正規分布をとる現象に囲まれています。

テストを考えてみると、平均点の付近に多く生徒があつまって端にいる生徒程目立つ成績をとったと言えます。
これは生活をしていて感覚的にうなづける部分もあるのではないでしょうか?
“普通”とよばれるのは大多数がその近辺に分布しているからで、珍しいものには出会おうと思えば一筋縄にはいきません。

普通と珍しいの境界線はどこにあるのでしょうか?
正規分布における統計では、標準偏差の2倍の範囲の中におよそ95%が含まれることが分かっています。
なので、その範囲外にあるものを統計上、珍しいと判断するのです。

標準偏差をSDと表します。

またまた、テストの話に戻すと、
平均70点、標準偏差10点のテストでは、
標準偏差の2倍より外。
すなわち得点が50点を下回る生徒と90点を上回る生徒のことを珍しい生徒と呼びます。

逆に50点以上90点以下の生徒は皆同じ能力ということになります。

 

まとめ:ものごとを偏差値でみるということ

いかがでしたか?
これまで平均点に重きを置いてみていた方には少しショッキングな情報かもしれません。
ただ、今回になって新しく標準偏差という視点をもってテストの得点をみることができるようになりました。
是非、自分のテストの得点、あるいはお子様のテストの得点を標準偏差の観点から見つめなおしてみてください。

少しの得点の変化に一喜一憂することなく、冷静に点数を分析できるようになるかもしれません。

 

最後に
今回、ご紹介した統計の知識は、
私が読んだダイヤモンド社出版、小島寛之著「完全独習 統計学入門」からお借りしました。

統計の入門書として大変おすすめの良書です。
今回の私の記事で興味を持たれた方がいれば、ぜひ手に取ってみてください!

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